NTTにもオーケストラがあった!IPv6技術や啓蒙で著名な、現在はインテックネットコア社長で、クラリネット奏者でもある荒野高志さんが誘ってくださったので、聴いてきました。
創立10周年とのことで、今回は第19回目の定期演奏会である。曲目は、レスピーギの組曲「ボッティチェッリの3枚の絵」と交響詩「ローマの松」、ブラームスの交響曲2番(D-dur)。正直、どんなものなのかなぁと思っていたが、最初のレスピーギで、ヴァイオリンと木管の音色がきらきらと炸裂して、その思いはふっとんだ。コンマスのソロも切なくて素敵。そしてローマの松(ジャニコロの松)のクラリネットソロは、繊細で哀しく、うっとり聴き惚れてしまった。ブラ二は、個人的にはもう少しドライヴ感が欲しい(ちょっと安全運転気味かなーー)、と思ったけれども、でも、よくまとまっていた。自分の楽器はついつい厳しく見てしまうのだろうか、チェロにはいろいろ注文をつけたいところがあったが、演奏のレヴェルは期待を大きく上回るものだった。
一つの企業でここまでのオーケストラ、というのはびっくりだけれども、よく考えてみれば天下のNTTである。音大に行くか否か散々迷った挙句普通大学に進学した、というような人がごろごろしていてもおかしくない。天は二物も三物も与えるのだ。
それでも、音楽は、なんだかんだ言って「さらってなんぼ」のところがある。イメージして、実際に音を出して、フィードバックする。多忙でさらう 時間が取れないと、どうしてもこのサイクルがなかなか廻らなくなるが、多忙な筈のNTTグループ企業の社員(+OB、OG、家族)から構成されるメンバー が、きちんと成果を出しているというのはすごいことだ。
企業(グループ)内だとやりにくい面もあるかもしれないとも考えたが、役職とか地位とか年齢とかそういったものは全て取り去って、音楽のみを真摯に追求する姿があった。このような視座の転換、そして価値観の柔軟化は、仕事自体にも役立つのではないか。
同じ業界に身をおくものとして、また、音楽を追求するものとして、大いに刺激になった。仕事と音楽の両立は本当に大変。でも、「両立」と考えると、どうしても時間的制約がネックになるが、そうではなく「統合」と考えたらどうだろう。仕事で得た視座を楽器演奏に活かす。楽器演奏の過程で得た視座を仕事に活かす。高い次元での統合を目指したい、と、思いを新たにした。
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