漠然と思っていたけれど、たぶん自分の演奏に足りないのは方向性と統一感だ。
音符一つ一つ、そしてそれらの集合であるフレーズ、またそのさらにフレーズの集合それぞれに対して、方向性、というか、自分がそれをどう表現したいのか、という意志を込められると、音楽が生き生きとしてくる。しかしそれが行き当たりばったりだったり、ちぐはぐだったりするとダメで、大きなところから見た統一感が必要。
しかしこれがなかなか難しい。どうしてもボーイングの都合やポジション移動の都合に左右されて、方向性が明確にならないし、ましてや統一感のコントロールなど、弾くのに夢中になっていると、頭からぽーーーっと抜け落ちてしまう。
先日、何と超ラッキーなことに、出張中にベルリンフィルを聴くチャンスに恵まれた。当日立見券でわずか11 Euro。こんな幸せは一生のうちそうそうあることではない。プログラムはシューマンの4番とブルックナーの4番で、指揮はSir Simon Rattle。
シューマンは一番好きな作曲家の一人だけれど、どちらかというと室内楽やソロ、デュオのあの切なさ、無邪気さ、深遠さに惹かれ、シンフォニーは実はあまりぴんと来ていなかった。でも、ベルリンフィルの演奏は、曲の出だしから「!!!」(言葉にならない)。部分部分が有機的に結合された、壮大な建築物を見るようで、ただただ圧倒された。
そして、方向性と統一感。あー、やっぱりこれが必要なんだと確信を得るに至った。これをフルオケで完璧にやられると、もう圧巻としか言いようが無い。
一人でも実現するのが大変なのに...、と彼我の差に愕然とするが、気づきを得られただけ幸せだと思おう。そして少しでもましになるように精進しよう。(って相変わらず一日5-10分のペースだけれども...。)
楽器とジャンルは違いますが、方向性と統一感、というのはなんとなくわかる気がします。
最近はすっかりご無沙汰していますが、よく自分の演奏を録音して、繰り返し聞きこんで、練習して、また録音をして、ということをやるのも一つかと思います。(すでにやらてているとは思います。。。)
で、間に他の方の、自分がいいなあぁと思う演奏とかをたまに聞いてみると、その差分がまた気になって、と。
案外、冷静な目で見れる自分、気がついてしまう自分というものを発見できて、です。
楽譜を見ながら録音したものを聞いて、気になる箇所をマーキングして、とやると、さらに熟達度があがるようです。^^;;;
投稿情報: [email protected] | 2006.10.24 11:46