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2007.03.11

コメント

ささきかずよし

こんにちは。汐留の通信会社からお給料を頂いておるささきというものです。
#秋田のJANOGで秋田IX見学に向かうタクシーに同乗しておった者ででございます。 :-)

今日のお昼にWebをクリクリしておりましたらこちらのブログを発見してしまいました。

> 1オクターヴで一周する..(略)..丁度180°のところに位置する。これも思わぬ発見。

この話に触発されまして一つウンチクを...

ポピュラーミュージックの世界では5度下がるコード(和声)進行が基本になってます。
「ポピュラー」つって60年代までの話なので過去形かな。んで、5度下がるシーケンスを
C→F→B♭...というように環状に12音を配置したものを五度圏(Circle of Fifth)と
申しまして、これでコード進行を分析をしたりするミュージシャンも(結構)います。
増4度はこの五度圏でもまた180度の位置関係です。昔の曲だとほとんどこの円に
沿ったコード進行だけ(すなわち5度進行ばっかり)というものもけっこうあります。

この五度圏を分析だけでなく、バルトークのように(ってかバルトークの真似してかな?)
作曲のネタにつかう人もおります。ジャズの世界では60年代後半にジョンコルトレーン
というサックス吹きがだいぶこれに凝りました。YouTubeに譜面付きのコンテンツが
あるのでご紹介します。曲名は"Giant Steps"です。

ttp://www.youtube.com/watch?v=2kotK9FNEYU

ためしに曲の頭のコード進行を取りますと、B→D→G→B♭→E♭といった具合です。
これを五度圏にあてはめますと、3歩、1歩、3歩、1歩という具合の"Step"に
なっています。これをさらに繰り返すとすぐに元の音ににもどっちゃいますが、
それだけじゃつまらないので、途中で増4度の進行で円の反対側に6歩
"Giant Steps"したりします。この曲をコルトレーンがやりはじめた時には、
こんな激しいコード進行をやる人は(ジャズ業界には)他におりませんでした。
この↑曲のピアニストのトミーフラナガンという人はうまくメロディーを紡げず(*)に
途中からコードを弾くだけでお茶をにごしております。たぶんコルトレーンに
「このコード進行でお願い」といきなり言われて目が点になったとものと想像されます。
対するコルトレーンは自分で作曲したのは別としても、相当事前に練習したようで、
異様にすらすらとメロディーを吹ききっており対象的です。
(*)... 「ジャズ」というぐらいでコードは決まっていますがメロディーは即興です

ウンチク話は以上でございます。

新しいお仕事でも河野さんの益々のご健勝・ご活躍を心より祈念しております!

-sasaki

Miya

ささきさん、

 YouTubeみましたー。すげー、としかいいようがありません。目を瞠るばかり。(この、楽譜とのsyncもすごいですね。。)

 ところで、Circle of Fifthは左回り(5度下降 : C->F->♭B->♭E...)ですよね。これは、Cを鳴らしたときの倍音列がC♭7になるのでFに行くのが自然だから、ということのようですが、バルトークはこれの裏(5度上行)の裏(それを逆さにする)をかいて、4度下降というのをやってくれます。それも一番盛り上がるところで。これがまたすごいんです。

 理論的なことをもっと勉強してみたくなりました。ささきさん、ぜひぜひこれからも、もっと薀蓄を聞かせてください。(この業界の音楽家、また一人発見!)


 

ささきかずよし

どうもどうも。実はウンチクそんなにないんですけどね。
河野さんの文章読んでて"Divertiment"聴きたくなってきました。
CD探して買ってみようと思います。

追伸:
先に「60年代後半にジョンコルトレーン...」と申しましたが、
自分で頭に「?」が浮かんであらためて調べたら59年録音でした。
ウンチクといってもまぁこんな程度のものでございます。(^^;;;

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登録年月 06/2006

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