いろいろな文献を読み、著作権に関することはとてつも無く複雑で難しいことがわかってきた。私が先日書いた思いは今も変わってはいないが、それは自分の主観的な問題に端を発していて、著作権問題のほんの表層の、さらにそのほんの一角しか捉えていない、ということを強く自覚したので、追記。
著作権法では、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義している。細かい突っ込みをすれば、作品には、諧謔のために作ったものもあるだろうし、純粋に商業的に作ったものもあるだろう。必ずしも、思想もしくは感情の発露とは限らないかもしれない。ジャンルも、音楽に限ってもクラシック、ポップス、演歌、ゲーム音楽等多岐にわたる。これらの異なるジャンルや異なる性質を全てひっくるめて「著作物」としして一律に扱うのは、どうにも無理があるのではないかと思う。しかし、では、分けられるのか、(分けられとして)分ければよいのか、と聞かれると、答えは無い。
芸術的著作物は個人的・主観的なもので、経済における「市場」、学問における「理論・実証」、技術・工学における「効用」のような、明確な指標がない。ソフトウェアは少し近いと思ったが、やはり目的も異なる。そのため、作品やその権利を取り扱うのは相当に難しいし、立場や見方によって大きく意見が分かれるのは当然だろう。
同時に、これは構造問題でもある。考え方の基礎になっているのはベルヌ条約なのだろうが、その上に、現在までに脈々と築かれた業界構造、産業構造、文化がある。レコード会社は、単に作品を流通させるだけではなく、新人を発掘し、投資(販促活動など)をし、育てる、という役割もあるのだろう。そういった構造が、ディジタル技術の進化と、個人個人の意識の変化で、変わるかもしれないし、変わらないかもしれない、というところだろうか。
せっかく少し勉強するきっかけを得たので、関連する規範、法律、そして現在の構造の良いところ、悪いところを、自分の利害とか好悪感情をできるだけ抑えて、吟味してみたいと思う。今回、著作権に関することを調べるために、インターネットを検索してみたら、考えさせられる資料が非常に多数見つかった一方、中には、中傷の類や、事実誤認かもしれない憶測に基づく発言もあった。これはよくない。「インターネットでクリエイティヴ・コモンズとか言っているが、結局は、責任の無い言いっ放しではないか」、と言われたら反論できないではないか。自戒を込めて。
こんばんは。そうですね。ご指摘の通り、もはやぶっちゃけ個人の思索やアイデアで何かしら決定的な解決策が出せる状況ではなくなっていますよね。
ただ、私が具体的な利用者としてお金をきちんと払って利用しようとした場合に、こちらへのコメントで指摘させていただいた通り条件によっては必ずしもわかりやすく利用できる状態になかった、というのは私が現状に対して事実として感じたことですので、私自身が著作権問題の全体を理解していないからといって、このクレームを引っ込める必要もないだろうと思っています。もちろん言い方の問題はあるでしょうけど。極端な話、世の中全て弁護士とか弁理士でなければならないような世の中もどうかと思うわけです。
人間いろいろと多面的な活動をしているものですので(私がmiyaさんに申し上げるなど実におこがましいことですが 笑)、仮に家でプライベートで消費者・利用者であっても、仕事にいけば生産者・被利用者になったりして、同時に相反する立場に立つこともごく普通にあり得ますしね。それぞれの場で全く相反することを堂々と主張していてもおかしくないですし、逆に迷わずそうすべきだと思っています。
投稿情報: bun | 2007.09.22 20:18
同感です。それに、個人できちんと著作権処理されたbunさんに、尊敬の念を感じています。私なんて、指摘されるまで気づかない程リテラシーなかったし、何もえらそうなことを書ける状況ではないのです。少し調査し始めたら、思っていたようりもさらに深くて圧倒されています。
投稿情報: Miya | 2007.09.22 22:39
おはようございます。
いえ、ご謙遜だと思いますし、私の方はこれらを平気で無視して事務局その他ののみなさまにご迷惑になってはと思っただけなのですが、利用者の側からすれば、せめて例えば住民票をとるときくらいに迷いなくさほどの手間なく支払えるといいと思ってます。払い方がわかりにくい、あるいは面倒くさい状態のまま、「払わないとは何事だ」と追及するのはたちが悪いので、やめていただきたい、と思っています。これが私からのお願いの第一です。
お忙しいところ何度もすいません。
投稿情報: bun | 2007.09.24 08:42