Net Neutrality議論は、必要以上に煽り過ぎの感じがしてきた。
こんなサイトやこんなサイトがあるが、一体誰がagitateしているのだろう。
当事者(通信事業者サイドもGoogle/eBay等のサイドも)は、さほど極端なことは言っていないのに、イデオロギーが先走っている感じ。
大体、お互い持ちつ持たれつなのだから(インフラが無ければ、コンテンツやアプリケーションが使えない。コンテンツやアプリケーションが無ければ、インフラの意味が無い。)、本当は、冷静に、両サイドで、お互いにとって良いバランスポイントを見つけるしか無い筈だ。
しかし、ここに来てこの類の議論が泥沼化の様相を示しているのは、これまで何となく折り合いを付けていた様々な矛盾が、噴出してきたからかもしれない。
同じ通信ネットワークでも、電話網と、コンピュータネットワークは、思想や文化を異にするものだった。しかし、インターネットが商用化されるにつれ、黎明期のGreenfieldのISPは淘汰され、大手電話会社によるISPに取って代わられた。但し、このときは、電話会社がインターネット文化に迎合する形を取ったと思う。(日本でも、水越一郎大先生によると、OCNは「OCNはCarrierではない」の略だそうである。GNUみたいに再帰的だ:))
それが、最近になって、電話会社が再統合の動きを見せていること、そして、現在のインターネットのセキュリティ問題や迷惑、詐欺、情報流出問題を背景に、単なるBest Effortではなく、制御性、管理性、保証性等を持ち込もうとしていることに対して、独占への回帰、電話網やIN(Intelligent Network)へのノスタルジア、巨大な電話会社の復権、を感じ取って、反発しているのかもしれない。
中立性も勿論大事だけれども、公平性やセキュリティもやっぱり大事だよなー。勿論、健全な競争原理も大事。でも市場論理だけではうまくいかない場合もある。どちらが善でどちらが悪とか、そういう単純な話ではない。煽情するのではなく、冷静に検討しなくてはならないと、強く思う。
Internet Watch記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2006/06/09/12273.html
投稿情報: | 2006.06.14 13:20