わが師匠曰く、「残念ながら、アマチュア演奏家の95%は、自己満足というか、ただ弾くだけで終わってしまっている。」
この言葉は、とても耳障りが悪く、重く響いた。つい「アマチュアをどう定義するのか?」とか、「95%って一体どういう根拠があるのか」とか、思わずたてつきそうになったが、そういう問題ではない。アマチュアの定義や95%かどうかはどうでもよくて、要するに、私の演奏が、自己満足の粋を出ていない、ということだ。いや、自分自身は決して満足はしていない。でも、そういう問題でもない。
せめて、「こう弾きたい」、という音をしっかりイメージして、イメージどおりに音が出ない 場合に絶対に妥協しない、というつもりで精進しないと。
1)イマジネーションを働かせる。
イマジネーションを働かせて、「こう弾きたい」という意志を持つ。
2)曲を構造的に理解する。
できるだけ適切にイメージするためには、曲の構造を理解することも必要。フレージング。対位旋律。主題、経過部、展開部とその構成。主題が戻ってきたとき。転調するとき。和声の変遷と、それが解決に向かうとき、等など。
3)基礎の重要さ。
左手の形、シフティング、音程、音程を取るタイミング、音を出すタイミング(左手準備、右手準備)、弓 のスピード、圧力、バランス、肘の先行、移弦。音程や響き、音質、ダイナミクス、 フレージング、レガートなどが上手く行っていない場合、必ず原因がある。すべては基礎的なことに要素還元される。
4)表現の引出しをたくさん作る。
慈しむような、情熱的な、哀しい、ものを語るような、緊張した、決然とした、さ さやくような、思い出すような、不安な、夢想的な、厳しい、朗々と、...。それら観念的なものと、実際の物理的身体運動とをブリッジさせるために、練習をする。
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