1月14日のおさらい会に、舘野泉先生がいらしてくださった。師匠の演奏のピアノ伴奏を、舘野先生のお弟子さんであられる平原あゆみさんが務められたからだ。舘野先生は、(ここで書くまでもないが)フィンランドを中心に国際的に活躍されているピアニストで、脳出血のため右半身不随になられるも、左手のピアニストとして再起を遂げられた。舘野先生の音楽はすごい。一音聴いただけで引き込まれる。科学技術の分野においても、「要素還元は重要だが、それだけではだめで、時にはWholisticなアプローチも必要」と感じるが、音楽もまさにそうだ。ある臨界点を超えると、要素還元を超越した地平が現われる。(臨界点にはるかに及ばない私は、ひたすら要素還元して一つ一つ克服するしかないのですけれども。)
我々のつたない演奏を聴いて戴けただけでも有難く畏れ多いのに、後日師匠のところに小包と手紙が届いた。師匠の演奏を礼賛するとともに、「他に印象に残ったのは...、河野美也(Vc)さんと井上万里さん(Pf)のバッハ。心がこもった演奏でした。」とあり、私たちにご自署入りのCDをプレゼントして下さった。(CDのプレゼントに与ったのは、私たちの他にも、もう一組。)
たぶんご不自由な右手で書いて下さったサインだ。CDはラウティオとのデュオで、フィンランドのチェロ小品集。これはもう、泣くしかない。号泣。
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